情報更新日:2026年8月26日
※本記事は、公開後も必要に応じて内容を見直し、情報を更新しています。
■はじめに

株式投資で利益を得る方法と聞くと、「株を安く買って、高く売る」
というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
もちろん、それも株式投資で利益を得る代表的な方法です。
しかし、株式投資には株価の値上がり以外にも、「配当金を受け取る」という利益の得方があります。
さらに日本株では、企業によっては商品やサービス、割引券などがもらえる**「株主優待」**を実施している場合もあります。
前回の「株式投資の基礎①」では、
「株とは何なのか?」
「株価はなぜ動くのか?」
という基本について解説しました。
今回は「株式投資の基礎②」として、
- キャピタルゲイン
- インカムゲイン
- 配当利回り
- 高配当株
- 株主優待
について、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
■キャピタルゲインとは?【値上がり益】
キャピタルゲインとは、保有している資産を売却することによって得られる利益のことです。
株式投資の場合は、
「株を購入した価格よりも高い価格で売却して得られる利益」と考えると分かりやすいでしょう。
例えば、
1株1,000円で購入
↓
1株1,500円まで上昇
↓
1,500円で売却
したとします。
この場合、
1,500円-1,000円=500円
となり、単純化すると1株当たり500円の値上がり益が発生します。
この利益がキャピタルゲインです。
※実際の損益を考える場合には、税金や取引にかかるコストなども考慮する必要があります。
■「押し目買い」「高値掴み」とは?
株式投資を勉強していると、
「押し目買い」
「高値掴み」
という言葉を目にすることがあります。
押し目買いとは、上昇傾向にある株価が一時的に下落した局面などで購入することをいいます。
一方、高値掴みとは、高い価格で株式を購入した後に株価が下落し、含み損を抱えてしまうような状態を指して使われます。
ただし、「現在の株価が本当に安いのか、高いのか」を正確に判断することは簡単ではありません。
株価は、
- 企業業績
- 将来の成長期待
- 金利
- 為替
- 景気
- 政治・地政学リスク
- 投資家心理
など、さまざまな要因によって変動するからです。
そのため、「株価が下がった=安い」とは限らないことにも注意が必要です。
■キャピタルロスについても知っておこう
キャピタルゲインとは反対に、購入した価格より安い価格で売却して発生する損失をキャピタルロスと呼びます。
例えば、
1株1,000円で購入
↓
1株700円まで下落
↓
700円で売却
した場合、
700円-1,000円=-300円
となります。
つまり1株当たり300円の損失です。
株式投資では、
キャピタルゲインを得られる可能性がある一方、キャピタルロスが発生する可能性もある
ということを理解しておきましょう。
■インカムゲインとは?【配当金など】
インカムゲインとは、資産を保有していることで得られる収益のことです。
株式投資における代表的なインカムゲインが、「配当金」です。
企業は事業によって得た利益などについて、
- 新規事業への投資
- 設備投資
- 研究開発
- 人材への投資
- 借入金の返済
- 内部留保
- 株主への還元
など、さまざまな使い方を検討します。
その中で、企業が利益などの一部を株主へ還元する方法の一つが配当です。
例えば100株を保有している企業から、1株当たり50円の配当金が支払われる場合、
50円×100株=5,000円となり、税金を考慮する前では5,000円の配当を受け取る計算になります。
ただし、配当金は預金の利息のように必ず受け取れるものではありません。
企業の業績や財務状況、経営方針などによって、増配・減配・無配となる可能性があります。
そのため、「現在配当金を出している=今後も同じ配当金が保証されている」わけではありません。
■配当利回りとは?
高配当株を調べていると、必ずといっていいほど出てくるのが、「配当利回り」です。
配当利回りとは、現在の株価に対して、1年間に受け取れると見込まれる1株当たり配当金がどのくらいの割合になるのかを見る指標です。
基本的な計算方法は、配当利回り(%)=1株当たり年間配当金÷株価×100です。
例えば、
- 株価:1,000円
- 1株当たり年間配当金:50円
の場合、
50円÷1,000円×100=5%となります。
配当利回りは『5%』です。
一見すると、配当利回りが高ければ高いほど魅力的に見えるかもしれません。
しかし、ここには注意点があります。
■高配当株の「落とし穴」
配当利回りを見るときに私が特に注意したいと考えているのが、
「なぜ配当利回りが高くなっているのか?」という点です。
先ほど、配当利回り=年間配当金÷株価×100と説明しました。
つまり、配当金が変わらなくても、株価が大きく下落すると計算上の配当利回りは上昇します。
例えば、株価1,000円・配当50円なら、配当利回り5%です。
ところが業績悪化などによって株価が500円まで下落したとします。
配当金を50円のままと仮定すると、50円÷500円×100=10%となります。
配当利回りは10%まで上昇します。
「10%も配当がもらえる!」
と考えたくなりますが、株価が下落した背景に企業業績の悪化などがあれば、その後減配や無配となる可能性も考える必要があります。
そのため私は、配当利回りの数字だけではなく、
- 売上や利益は安定しているか
- キャッシュフローに問題はないか
- 過去の配当実績はどうか
- 配当性向は高すぎないか
- 今後も無理なく配当を継続できそうか
などを確認することが重要だと考えています。
■配当性向とは?
高配当株を分析するときに覚えておきたい指標の一つが、「配当性向」です。
配当性向とは、企業が稼いだ利益のうち、どの程度を配当として株主へ還元しているのかを見るための指標です。
簡単に表すと、配当性向(%)=1株当たり配当金÷1株当たり利益(EPS)×100となります。
例えば、
- 1株当たり利益(EPS):200円
- 1株当たり配当金:60円
なら、
60円÷200円×100=30%です。
配当性向は30%となります。
ただし、「配当性向は○%なら絶対に安全」という基準があるわけではありません。
適切な水準は企業の成長段階や業種、財務状況、経営方針などによって異なるため、他の指標とあわせて判断することが大切です。
■キャピタルゲインとインカムゲインの関係
株式投資では、大きく分けると、
キャピタルゲイン=株価上昇による利益
インカムゲイン=配当などによる利益
という2つの利益を考えることができます。
ここで重要なのが、企業が稼いだ利益をどのように使うのかという点です。
例えば、すでに事業が成熟しており、大規模な成長投資を必要としない企業では、利益の一部を配当として株主へ積極的に還元する場合があります。
このような企業には、比較的配当利回りが高い企業もあります。
一方、成長途中の企業では、
現在の利益を配当として株主へ還元するより、新規事業・研究開発・設備投資などへ再投資する
という経営判断をする場合があります。
その再投資によって企業が大きく成長すれば、将来的な株価上昇につながる可能性があります。
ただし、
「高配当株は株価が上がらない」
「成長株は配当を出さない」
と決まっているわけではありません。
配当を出しながら成長する企業もありますし、高配当であっても株価が大きく上昇することもあります。
あくまで企業ごとの成長段階や資本政策によって異なります。
■「トータルリターン」で考えることも大切
キャピタルゲインとインカムゲインを理解するときに、もう一つ覚えておきたいのが、
「トータルリターン」という考え方です。
株式投資では、「配当金をたくさんもらえたから成功」
あるいは、
「株価が上昇したから成功」と一つの要素だけを見るのではなく、値上がり益や配当などを含めた全体的な収益を見ることも大切です。
例えば、高い配当金を受け取っていても、それ以上に株価が大きく下落すれば、投資全体ではマイナスになる可能性があります。
反対に、配当金が少なくても、企業が利益を成長投資へ回し、長期的に株価が大きく上昇すれば、高いリターンにつながる可能性があります。
そのため私は、「配当利回りだけで投資先を決めない」ことが重要だと考えています。
■株主優待とは?
株主優待とは、企業が一定の条件を満たした株主に対して、自社の商品やサービスなどを提供する制度です。
内容は企業によってさまざまで、
- 自社商品
- 食品
- 日用品
- 買い物などの割引券
- 食事券
- 施設の利用券
などがあります。
日本株投資では、
「好きな企業を応援しながら、その企業の商品やサービスを楽しめる」
という株主優待ならではの魅力があります。
■株主優待だけを目的に投資するときの注意点
株主優待は魅力的な制度ですが、
「優待が欲しいから」という理由だけで投資先を決めることには注意が必要です。
株主優待を受け取るための条件は企業によって異なります。
例えば、
- 必要な保有株数
- 権利確定日
- 継続保有期間
などが設定されている場合があります。
また、株主優待は企業が独自に実施している制度であり、内容の変更や制度そのものが廃止される可能性もあります。
実際に、株主還元の方法を見直し、株主優待を廃止して配当などへ還元を集約する企業もあります。
そのため、
「優待がずっと続くことを前提に投資する」
のではなく、企業の業績や将来性、財務状況なども確認したうえで判断することが重要です。
■キャピタルゲイン・インカムゲイン・株主優待を比較
3つの特徴を簡単に整理すると、次のようになります。
| 項目 | キャピタルゲイン | インカムゲイン | 株主優待 |
|---|---|---|---|
| 主な内容 | 株価上昇による売却益 | 配当金など | 商品・サービス等 |
| 利益・特典を得る方法 | 購入価格より高く売却 | 配当を実施する株式等を保有 | 優待条件を満たす |
| 必ず得られる? | × | × | × |
| 主なリスク・注意点 | 株価下落 | 減配・無配 | 変更・廃止 |
| 確認したいポイント | 業績・成長性・株価水準等 | 業績・配当性向・財務等 | 業績・優待条件・継続性等 |
どれが一番優れているというものではありません。
自分が何を目的として株式投資をするのかによって、重視するポイントも変わってきます。
■税金についても知っておこう
株式投資で利益を得る場合には、税金についても知っておく必要があります。
課税口座で上場株式等を売却して利益が発生した場合、原則として譲渡益には税金がかかります。国税庁によると、上場株式等の譲渡所得等は申告分離課税となり、所得税15%・住民税5%に加えて復興特別所得税が課されます。
配当についても課税関係があります。
一方、NISA口座では制度上、一定の条件のもとで売却益や配当・分配金を非課税にできる仕組みがあります。
税制については制度変更が行われる可能性があるため、実際に投資する際には国税庁や金融庁、利用している証券会社などの最新情報を確認することをおすすめします。
■まとめ
今回は「株式投資の基礎②」として、
キャピタルゲイン・インカムゲイン・高配当株・株主優待について解説しました。
ポイントをまとめると、
- キャピタルゲインは株価上昇などによって得られる売却益
- 株価が下落して売却すればキャピタルロスが発生することもある
- インカムゲインの代表例が配当金
- 配当金は将来にわたって保証されているわけではない
- 配当利回りが高いだけで「お得な株」とは判断できない
- 高配当株では業績や配当性向、財務状況なども確認する
- キャピタルゲインとインカムゲインを合わせたトータルリターンで考えることも大切
- 株主優待は企業によって内容・条件が異なり、変更や廃止の可能性もある
ということです。
株式投資では、
「値上がり益を狙うのか」
「配当金を重視するのか」
「両方をバランスよく狙うのか」
によって投資先の選び方も変わってきます。
最初から自分の投資スタイルを完璧に決める必要はありません。
まずはそれぞれの特徴やリスクを理解し、
「自分はどのような目的で株式投資をするのか?」を考えてみることが大切です。
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■参考・情報源
本記事では、株式・配当・税制などに関する一般的な説明について、主に以下の公的機関・公式情報を参考にしています。
日本取引所グループ(JPX)「株式・ETF・REIT等」
株式市場、上場株式、ETFなどに関する公式情報を確認できます。
日本取引所グループ「株式・ETF・REIT等」
日本取引所グループ(JPX)「配当落・権利落等情報」
上場銘柄の配当落日・権利落日等について公式情報を確認できます。JPXでは対象銘柄の情報を継続的に更新しています。
JPX「配当落・権利落等情報」
国税庁「株式等の譲渡益課税について」
株式等を売却して利益が発生した場合の税務上の取り扱いについて確認できます。
国税庁「株式等の譲渡益課税について」
国税庁「株式等の譲渡所得等の税率」
上場株式等の譲渡所得等に適用される税率について確認できます。
国税庁「株式等の譲渡所得等の税率」
※企業ごとの配当方針、配当金額、株主優待の内容・条件については変更される場合があります。実際に投資を検討する際には、各企業の公式IR情報・決算資料等で最新情報をご確認ください。
■免責事項
本記事は、株式投資に関する一般的な情報を初心者向けに解説することを目的としたものであり、投資収益を保証するものではありません。
また、特定の金融商品・銘柄の勧誘、売買の推奨、投資助言を目的としたものではありません。
株式等の金融商品には価格変動リスクがあり、投資元本を下回る可能性があります。また、配当金は企業の業績・財務状況・経営方針などによって減額または支払われなくなる可能性があり、株主優待についても内容の変更・廃止等が行われる場合があります。
税制や各種制度についても将来変更される可能性がありますので、最新情報については金融庁・国税庁・日本取引所グループ・各企業の公式情報等をご確認ください。
最終的な投資や契約の決定は、ご自身の投資目的・資産状況・リスク許容度などを踏まえて判断してください。
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