情報更新日:2026年10月4日
※本記事は、公開後も必要に応じて内容を見直し、情報を更新しています。
■はじめに

前回の「株式投資の基礎④」では、投資信託とETFの基本的な仕組みについて紹介しました。
投資信託やETFについて調べていると、
「S&P500ってそもそも何?」
「日経平均とTOPIXは何が違うの?」
「米国以外にも投資できるの?」
「新興国に投資する商品もあるの?」
といった疑問が出てくるのではないでしょうか。
そこで今回は、米国・日本・新興国の代表的な株価指数(インデックス)と、それらへの投資に利用される代表的な投資信託・ETFについて、初心者向けに分かりやすく紹介します。
なお、ここで紹介する商品は特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。
信託報酬や経費率、構成銘柄などは変更されることがあるため、実際に投資する際は必ず運用会社などの最新情報をご確認ください。
■米国の代表的な株価指数と投資信託・ETF
まずは、世界の株式市場でも大きな存在感を持つ米国株から見ていきましょう。
代表的な指数として、
- S&P500
- ダウ平均
- NASDAQ総合指数
- NASDAQ100
などがあります。
それぞれ特徴が異なります。
■S&P500とは?
S&P500は、米国を代表する大型株500社で構成される株価指数です。
S&P Dow Jones Indicesによると、S&P500は米国大型株市場を代表する指数の一つで、米国株式市場の利用可能な時価総額のおよそ80%をカバーしています。
単純に「米国で時価総額が大きい500社」を並べているわけではなく、時価総額や流動性、浮動株比率、収益性など一定の基準を満たした企業から構成されています。
そのため、
「米国の代表的な大型企業へ幅広く投資するための指数」と考えると分かりやすいでしょう。
代表的な投資商品としては、
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- Vanguard S&P 500 ETF(VOO)
などがあります。
VOOの経費率は、2026年4月28日時点で『年0.03%』となっています。
ただし、過去にS&P500が長期的に成長してきたからといって、将来の値上がりが保証されているわけではありません。
米国株式市場全体が下落すれば、S&P500に連動する投資信託やETFも下落する可能性があります。
■ダウ平均とは?
ダウ平均は、正式には『ダウ・ジョーンズ工業株価平均(Dow Jones Industrial Average)』と呼ばれる指数です。
米国を代表する30社で構成されており、非常に長い歴史を持っています。
ニュースなどで、
「NYダウが上昇しました」
「ダウ平均が最高値を更新しました」
などと報道されているのを見たことがある方も多いと思います。
S&P500が500社で構成されるのに対して、ダウ平均は30社なので、より限られた代表企業の値動きを示す指数という違いがあります。
■NASDAQ総合指数とNASDAQ100とは?
ここは少し混同しやすいポイントです。
「NASDAQ」という言葉は米国の株式市場そのものを指す場合もありますが、投資の世界では、
NASDAQ総合指数(NASDAQ Composite Index)やNASDAQ100指数(Nasdaq-100 Index)
という株価指数もよく登場します。
NASDAQ市場にはテクノロジー関連企業が多く上場しているため、これらの指数もテクノロジー企業の影響を受けやすい特徴があります。
中でもNASDAQ100は、NASDAQ市場に上場する企業のうち、金融企業を除く大型企業100社を中心に構成される指数です。
NASDAQ100はテクノロジー企業だけで構成されているわけではありませんが、テクノロジー企業の比率が比較的高いため、それらの企業の値動きから影響を受けやすい特徴があります。
代表的なETFとして、Invesco QQQ ETF(QQQ)があります。
QQQはNASDAQ100指数への連動を目指すETFで、2025年の制度変更後、総経費率は**0.18%**となっています。
テクノロジー関連企業の比率が高いため、大きな成長が期待される局面がある一方で、S&P500などと比較して値動きが大きくなる場合がある点には注意が必要です。
■日本の代表的な株価指数と投資信託・ETF
続いて、日本株の代表的な指数を見てみましょう。
日本では主に、日経平均株価(日経225)とTOPIX(東証株価指数)がよく知られています。
■日経平均株価とは?
日経平均株価(日経225)は、東京証券取引所プライム市場に上場する銘柄から選定された225銘柄で構成される「株価平均型」の指数です。
日本経済新聞社が算出・公表しています。
ニュースで、
「今日の日経平均株価は○○円でした」
と報道されるときの「日経平均」がこの指数です。
日本を代表する企業が多く含まれているため、日本株式市場の動きを確認するときによく使われる代表的な指数の一つです。
代表的な投資商品としては、
- eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
- NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信(1321)
などがあります。
■TOPIXとは?
TOPIX(東証株価指数)も、日本株を代表する重要な指数です。
日経平均が225銘柄で構成されているのに対し、TOPIXはより幅広い日本企業を対象とした時価総額加重型の指数です。
以前は「東証一部の全銘柄を対象とした指数」と説明されることが多かったのですが、東京証券取引所の市場再編やその後の指数改革によって、現在は構成銘柄の見直しが進められています。
さらにJPXではTOPIXの第2段階の見直しが進められており、2026年10月には次期TOPIXへの移行に向けた初回の定期入替が予定されています。
次期TOPIXでは対象となる母集団がプライム・スタンダード・グロースの全市場区分へ広がり、流動性などを基準とした定期的な銘柄入れ替えが行われる仕組みになります。
そのため、
「日経平均よりも幅広く、日本株式市場全体の動きを捉えることを目的とした指数」
と理解しておくとよいでしょう。
代表的な投資商品として、
- eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
- MAXIS トピックス上場投信(1348)
などがあります。
■日経平均とTOPIXの違い
初心者の方は、「日経平均とTOPIX、結局何が違うの?」と思うかもしれません。
簡単に整理すると、
日経平均
→ 代表的な225銘柄を対象とした「株価平均型」の指数
TOPIX
→ より幅広い日本企業を対象とした「浮動株時価総額加重型」の指数
という違いがあります。
日経平均は株価水準の高い銘柄の値動きから影響を受けやすい一方、TOPIXは時価総額の大きな企業の値動きから影響を受けやすいという特徴があります。
そのため、同じ日本株の指数であっても、日経平均とTOPIXでは値動きに差が出ることがあります。
どちらも日本株を見るうえで重要な指数ですが、対象となる銘柄だけでなく、指数の算出方法も異なることを覚えておきましょう。
■新興国の代表的な指数と投資信託・ETF
米国や日本などの先進国とは異なる市場区分として、新興国(エマージング・マーケット)と呼ばれる国・地域があります。
新興国には、中国、インド、台湾、ブラジル、インドネシアなどが含まれる場合がありますが、どの国・地域を新興国に分類するかは指数提供会社によって異なります。
代表例として、
- 中国
- インド
- 台湾
- ブラジル
- インドネシア
などがあります。
ただし、どの国を「新興国」と分類するかは、指数を算出する会社によって異なる場合があります。
■新興国投資の特徴
新興国では人口増加や所得水準の向上、産業発展などによって、将来的に高い経済成長が期待される国があります。
一方で、
- 政治情勢
- 通貨・為替変動
- 法制度
- 地政学リスク
- 株式市場の流動性
- 政府による規制
など、先進国とは異なるリスクにも注意する必要があります。
つまり、「経済成長率が高い国=必ず株価も大きく上昇する」というわけではありません。
経済成長と株式投資のリターンは必ずしも同じではないため、投資する際にはリスクも含めて考えることが重要です。
■新興国へ投資できる代表的な商品
新興国株式へ分散投資する投資信託・ETFもあります。
代表例として、
- eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
- iShares MSCI Emerging Markets ETF(EEM)
などがあります。
EEMは、MSCI Emerging Markets Indexへの連動を目指し、新興国の大型株・中型株へ幅広く投資するETFです。
2026年8月時点の経費率は『0.72%』となっています。
元記事では0.68%としていましたが、経費率は変更されることがあるため、今回の更新では最新の公式情報に修正しています。
■米国・日本・新興国はどれを選べばいい?
ここまで読むと、「結局どこの国に投資すればいいの?」と思うかもしれません。
しかし、これは投資目的やリスク許容度によって異なるため、一概に正解を決めることはできません。
たとえば、
米国株式
→ S&P500などを通じて米国の大型企業へ幅広く投資できる
日本株式
→ 日経平均やTOPIXなどを通じて日本企業へ投資できる
新興国株式
→ 将来的な経済成長が期待される一方、政治・為替・地政学などのリスクも比較的大きい
という特徴があります。
さらに、国を一つに絞らず、全世界株式型の投資信託を利用して複数の国・地域へまとめて分散投資する方法もあります。
どの商品が優れているかだけで考えるのではなく、
「自分はどの地域へ、どの程度のリスクを取って、何年間投資するのか」を考えることが重要だと思います。
■筆者が実際に指数を選ぶときに考えていること
ここまで米国・日本・新興国の代表的な指数を紹介してきましたが、私自身も実際に複数の指数について調べながら投資をしています。
現在、私が特に重視しているのはS&P500です。
ただし、最初から指数の中身を詳しく調べて投資していたわけではありません。
投資を始めた頃は、
「S&P500は過去の長期的なリターンが高い」という点を大きな魅力として捉えていました。
しかし、株式投資について勉強を続け、NASDAQ100やFANG+、ダウ平均など、さまざまな指数を知るようになってからは、過去のリターンだけではなく、
- どのようなセクターで構成されているのか
- どのような企業が組み入れられているのか
- 上位銘柄の比率はどの程度なのか
- 信託報酬や経費率などのコストはどの程度なのか
といった部分まで確認するようになりました。
同じ「インデックス投資」であっても、連動する指数によって投資先や値動きの特徴は大きく異なります。
だからこそ現在は、単純に過去のリターンだけを比較するのではなく、「その指数を買うことで、自分は何に投資することになるのか」を理解することを大切にしています。
私がS&P500を重視している理由
現在、私が最も重視している指数はS&P500です。
理由の一つは、これまでの長期的な実績です。
もちろん、過去の実績が将来も続く保証はありません。
それでも私は、米国企業のこれまでの成長力に加え、世界的な事業基盤を持つ企業が多いことや、成果を重視する企業文化などにも魅力を感じています。
また、500社に分散しながら米国の代表的な大型企業へ投資できるため、私自身は分散と成長性のバランスを取りやすい指数だと考えています。
そのため現在は、S&P500への連動を目指す投資信託やETFを、資産形成の中心の一つとして利用しています。
日本株ではTOPIXにも投資
一方、米国株だけではなく、日本株ではTOPIXにも投資しています。
一番の目的は地域の分散です。
また私は、日本経済が長く続いたデフレ環境から変化し、物価や賃金が上昇する局面に入っていることにも注目しています。
こうした変化が今後も続き、日本企業の成長につながる可能性があると考えているため、日本株にも一定の割合で投資しています。
その中でTOPIXを選んだのは、日経平均株価の225銘柄よりも幅広い日本企業を対象としているためです。
もちろん、日本経済の環境が変化したからといってTOPIXの上昇が保証されるわけではありません。
それでも私は、特定の企業だけではなく幅広い日本企業へ分散することで、日本企業全体の成長を取り込む選択肢の一つとしてTOPIXを利用しています。
NASDAQ100は今後検討している指数
NASDAQ100については、現在のところ投資していません。
ただし、今後ポートフォリオの一部に組み入れることを検討しています。
NASDAQ100には米国の大型グロース企業が多く含まれており、その成長性には魅力を感じています。
一方で、私はすでにS&P500を重視しており、S&P500とNASDAQ100では組み入れられている企業に重複もあります。
また、NASDAQ100は特定のセクターや大型企業の影響を受けやすくなる場合があります。
そのため、もし投資する場合でも、まずはポートフォリオの一部として少ない割合から取り入れ、値動きや資産全体への影響を見ていきたいと考えています。
新興国は「まず知るところから」
新興国株式についても、現在は直接投資していません。
新興国には人口増加や経済発展など、将来的な成長が期待できる国があります。
その一方で、為替、政治、法制度、地政学など、先進国とは異なるリスクもあります。
現在の私は、まずS&P500などを中心として資産形成を進め、投資元本を増やしていくことを重視しています。
そのため、新興国株式については「成長しそうだから買う」とすぐに判断するのではなく、まずはどのような国・企業で構成され、どのようなリスクがあるのかを勉強する段階だと考えています。
今後さらに理解を深めたうえで、自分のポートフォリオに必要だと判断すれば、投資先の一つとして検討したいと思っています。
「過去のリターン」だけではなく「中身」を見る
投資を始めた頃の私は、指数を選ぶ際に過去の平均リターンを特に重視していました。
しかし現在は、それだけでは十分ではないと考えています。
私自身が指数を見るときに確認しているのは、主に、
- 過去の長期的なリターン
- セクター構成
- 組入銘柄
- 上位銘柄の比率
- 信託報酬・経費率などのコスト
です。
過去に高いリターンを上げた指数であっても、その実績が将来も続くとは限りません。
また、指数の名前だけを見ていると、自分が実際にどの企業や業種へ多く投資しているのか分からないこともあります。
だからこそ、これから指数を選ぶ方には、過去の成績だけで決めるのではなく、「その指数の中身はどうなっているのか」まで確認することが大切だと、私自身の経験から感じています。
■投資信託・ETFではコストも確認しよう
同じような指数へ投資する商品でも、投資信託やETFによってコストは異なります。
代表的なのが、
投資信託 → 信託報酬
ETF → 経費率
です。
長期投資では、こうした小さなコストの差が長期間積み重なります。
そのため、
- どの指数に連動するのか
- 信託報酬・経費率はいくらか
- 純資産総額はどの程度か
- どのような国・企業へ投資しているか
- 為替リスクはあるか
などを確認してから商品を選ぶことが大切です。
また、信託報酬や経費率は変更される可能性があります。
本記事の数字だけで判断せず、購入前には必ず各運用会社の公式サイトや最新の目論見書をご確認ください。
■まとめ
今回は、米国・日本・新興国の代表的な指数と、それらに連動する投資信託・ETFについて紹介しました。
- S&P500:米国を代表する大型株500社
- ダウ平均:米国を代表する30社
- NASDAQ100:NASDAQ市場に上場する大型非金融企業100社を中心とした指数
- 日経平均:日本を代表する225銘柄
- TOPIX:より幅広い日本企業を対象とする指数
- 新興国株式:成長が期待される一方、政治・為替・地政学などのリスクにも注意
- 投資信託やETFを比較するときは、投資対象だけでなく信託報酬・経費率などのコストも確認する
どの指数が一番優れているかを決めることよりも、それぞれの指数が「どの国・どの企業・どの業種に投資しているのか」を理解することが大切です。
私自身も、投資を始めた頃はS&P500の過去のリターンを重視していました。しかし、NASDAQ100やFANG+、ダウ平均など、さまざまな指数について勉強していく中で、現在は過去のリターンだけではなく、セクター構成・組入銘柄・上位銘柄の比率・信託報酬や経費率などのコストも確認するようになりました。
過去に高いリターンを上げている指数であっても、その実績が将来も続くとは限りません。
だからこそ、指数の名前や過去の成績だけで判断するのではなく、「自分はどの国・企業・業種に投資しようとしているのか」を理解したうえで、自分の投資目的・運用期間・リスク許容度に合った商品を考えていくことが大切だと、私自身の経験から感じています。
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・株式投資の基礎①

・株式投資の基礎②

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・株式投資の基礎④

■参考・情報源
本記事の作成・情報更新にあたり、主に以下の公式情報を参考にしています。
- S&P Dow Jones Indices「S&P 500」
S&P500の概要・構成・算出方法等
S&P Dow Jones Indices公式情報 - S&P Dow Jones Indices「S&P U.S. Indices Methodology」
S&P500を含む米国株価指数の算出方法・採用基準等
S&P U.S. Indices Methodology - 日本取引所グループ(JPX)
TOPIXおよび日本株価指数に関する情報
日本取引所グループ - Vanguard「Vanguard S&P 500 ETF(VOO)」
ETFの概要・経費率等
Vanguard VOO公式情報 - Invesco「Invesco QQQ ETF」
NASDAQ100・QQQの概要・経費率等
Invesco QQQ公式情報 - iShares「iShares MSCI Emerging Markets ETF(EEM)」
iShares MSCI Emerging Markets ETF(EEM)公式情報
※各指数の構成銘柄、投資信託の信託報酬、ETFの経費率等は変更される場合があります。最新情報は各指数提供会社・運用会社の公式サイトや最新の目論見書をご確認ください。
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