情報更新日:2026年8月30日
※本記事は、公開後も必要に応じて内容を見直し、情報を更新しています。
■はじめに

これまで株-STUDYでは、
- NISA投資体験談
- 証券口座の投資体験談
- NISA成長投資枠の運用体験談
など、私自身の投資経験について紹介してきました。
今回は少し視点を変えて、「個別株投資で実際に損切りした体験談」について紹介します。
株式投資をしていると、株価が上昇して利益が出ることもあれば、反対に購入した株価より値下がりして損失が出ることもあります。
私自身も個別株投資で損切りを経験しました。
今回紹介するのは、東証グロース市場に上場する**株式会社アシロ(証券コード:7378)**へ投資したときの体験です。
私は購入前に自分なりの損切りルールを設定し、実際に株価がその水準まで下落したため売却しました。
この記事では、
- なぜアシロを選んだのか
- どのように銘柄を探したのか
- なぜ損切りしたのか
- この経験から何を学んだのか
を紹介します。
なお、これは筆者個人の投資体験談です。
「10%下落したら売る」という方法を推奨するものではなく、アシロを含む特定銘柄の購入・売却を推奨するものでもありません。
投資方法や適切な売却基準は、投資目的、運用期間、資産状況、リスク許容度などによって異なります。
■日本株には3つの市場区分がある
東京証券取引所では、2022年4月4日から、
- プライム市場
- スタンダード市場
- グロース市場
という3つの市場区分が設けられています。
それぞれ単純に「大企業・中堅企業・小型企業」と分類されているわけではなく、東京証券取引所が市場ごとにコンセプトや上場基準を定めています。
① プライム市場
プライム市場は、多くの機関投資家の投資対象になり得る規模の時価総額・流動性を持ち、より高いガバナンス水準などが求められる企業向けの市場です。
ただし、
「プライム市場だから株価が安定している」「長期保有すれば安全」という意味ではありません。
プライム市場の企業であっても、業績や経済環境などによって株価が大きく下落する可能性があります。
② スタンダード市場
スタンダード市場は、公開市場における投資対象として一定の時価総額・流動性を持ち、上場企業として基本的なガバナンス水準を備えた企業向けの市場です。
③ グロース市場
グロース市場は、高い成長可能性を実現するための事業計画などが開示され、一定の市場評価が得られる一方、
事業実績の観点から相対的にリスクが高い企業向けの市場と位置付けられています。
将来的に大きく成長する企業が現れる可能性がある一方、期待していた成長が実現しなかった場合などには、株価が大きく変動することもあります。
そのため私は、グロース市場の銘柄へ投資する場合、特にリスク管理を意識するようにしています。
■自分でグロース株を探してみた
私はあるとき、「自分で成長企業を探して投資してみたい」と考えました。
そこで、東証グロース市場に上場している企業の中から、自分なりの条件を設定して銘柄を探してみることにしました。
ただし、これから紹介する数値は、
「この条件なら優良株を見つけられる」という基準ではありません。
あくまで当時の私が、候補となる企業を絞り込むために設定した条件です。
■第1段階のスクリーニング条件
私が最初に設定した条件は、次のとおりです。
① 東証グロース市場に上場
成長企業を探すことを目的としていたため、グロース市場に対象を絞りました。
② 上場から5年以内
比較的新しく上場した企業の中から探すために設定しました。
ただし、上場からの期間が短い=今後株価が上昇するという意味ではありません。
③ 時価総額50~300億円
当時の私は大型企業ではなく、比較的規模の小さい企業の中から成長企業を探したいと考えていました。
④ ROE:10%以上
ROE(自己資本利益率)は、自己資本を使ってどの程度利益を生み出したかを見る指標の一つです。
私は10%以上を一つの目安として設定しました。
ただし、ROEは業種や企業の財務構造などによっても異なるため、
ROEが高ければ必ず優良企業というわけではありません。
⑤ 営業利益率:10%以上
本業からどの程度利益を生み出しているのかを見るため、営業利益率も確認しました。
こちらも業種によって適切な水準は異なります。
⑥ PER:10~30倍
PER(株価収益率)についても一定の範囲を設定しました。
ただし、PERが低い=割安、PERが高い=割高と単純に判断することはできません。
企業の成長率や業種、将来の利益予想、市場からの期待などもあわせて確認する必要があります。
■第2段階では成長率や事業内容を確認
第1段階で候補となる企業を絞った後、さらに、
- 売上高増減率(前年同期比)15%以上
- 営業利益増減率(前年同期比)15%以上
などを当時のスクリーニング条件として確認しました。
ただし、ここでも数字だけで投資先を決めたわけではありません。
さらに、
- どのような事業を行っているのか
- 競合企業との違いは何か
- 今後も成長する余地があるのか
- 企業の公式サイトやIR資料
- 経営方針
- 財務状況
なども確認しました。
そして、より詳しい企業情報を確認するために利用したのが、
金融庁のEDINET(電子開示システム)です。
EDINETでは、有価証券報告書などを確認でき、企業の財務内容や事業内容などを調べることができます。
個別株を調べる際、SNSや動画などの情報だけで判断するのではなく、
企業のIR資料や有価証券報告書などの一次情報を自分でも確認することを現在は特に意識しています。
■最終的に選んだ銘柄「アシロ」
こうして候補企業を調べた結果、当時の私が投資先として選んだのが、
株式会社アシロ(7378)でした。
アシロは東証グロース市場に上場している企業です。
同社はリーガルメディア事業などを展開しており、「ベンナビ」ブランドでは、
- 離婚
- 相続
- 交通事故
- 労働問題
- 刑事事件
- 債務整理
など、さまざまな法律分野に関するサービスを展開しています。
私は当時、
「法律という専門性の高い分野に特化したWebサービスは面白い」と感じました。
そして、事業内容や当時の業績、財務状況などを自分なりに調べた結果、
100株を購入することにしました。
なお、東証に上場する内国株式の取引所における売買単位は、原則100株に統一されています。
■損切りとは?
ここで「損切り」について簡単に説明します。
損切りとは一般的に、
購入価格より株価が下落して損失が出ている状態で、その株式を売却して損失を確定させること
を指します。
例えば、
2,000円で購入した株式が1,800円になった場合
株価だけで考えると、1株あたり200円の含み損となります。
100株保有していれば、200円 × 100株=20,000円の含み損です。
ここで売却すると、その損失が確定します。
一方、保有し続ければ株価が回復する可能性もありますし、さらに下落する可能性もあります。
そのため、
「何%下がったら必ず損切りすべき」という万人共通の正解があるわけではありません。
■私が設定していた「10%損切りルール」
私はアシロを購入する前に、
「購入価格から約10%下落したら売却する」という自分なりのルールを設定していました。
購入価格は約2,000円だったため、2,000円 × 90%=約1,800円が一つの目安です。
つまり、
株価が約1,800円を下回った場合には売却すると購入前から決めていました。
重要なのは、
「10%が正しい」ということではありません。
当時の私はグロース株への投資を比較的リスクの高い投資と考えていたため、大きな損失になる前に売却するための自分なりのルールとして設定していました。
■実際に損切りをした
株式を購入してから約2か月後、株価が私の設定していた水準を下回りました。
そこで私は、購入前に決めていたルールに従って売却しました。
結果として損失は発生しました。
当然、損失を確定させることは気持ちの良いものではありません。
「もう少し待てば戻るかもしれない」という気持ちもありました。
しかし、購入前に決めていたルールを途中で変更すると、
「まだ戻るかもしれない」と考え続け、売却の判断ができなくなる可能性もあると思いました。
そのため、当時はルールを優先しました。
■売却後、株価はさらに下落した
私が売却した後、アシロの株価はさらに下落し、一時は私の購入価格から約27.5%低い水準まで下落しました。
結果だけを見ると、「10%程度で売却しておいて良かった」と当時は感じました。
ただし、ここで一つ重要なことがあります。
売却後に株価が下落したからといって、その損切り判断が普遍的に「正解」だったとは言い切れません。
株価はその後再び上昇する可能性もあります。
投資判断は、
- 投資した理由
- 企業の業績
- 成長性
- 株価水準
- 投資期間
- リスク許容度
などによって変わります。
私にとっては、「事前に決めたルールを実行できたこと」そのものが大きな経験になりました。
■「塩漬け」という選択肢について考えた
もちろん、売却せずに持ち続けるという選択肢もありました。
含み損を抱えた株式を長期間保有し続けることを、一般に「塩漬け」と表現することがあります。
ただし、
株価が購入価格まで戻る保証はありません。
一方で、株価が下がったという理由だけで機械的に売却すれば、その後の回復局面を逃す可能性もあります。
そのため現在は、
「株価が下がったか」だけでなく、「その企業を購入した理由が崩れていないか」
を確認することも重要だと考えています。
例えば、
- 想定していた成長が鈍化していないか
- 業績が大きく悪化していないか
- 競争環境が変わっていないか
- 財務状況に問題が生じていないか
- 投資した前提そのものが変化していないか
といった点です。
株価だけを見るのではなく、
企業そのものに何が起きているのかを確認することが大切だと、この経験から学びました。
■損切りだけでなく「出口戦略」も考える
今回の経験から私が学んだもう一つのことが、
「買う前に、どのような場合に売却するのかも考えておく」ということです。
売却を考える理由には、
- 投資した前提が崩れた
- 業績や財務状況が想定から大きく変化した
- 株価が自分の許容できる範囲を超えて下落した
- 資産配分を見直したい
- 他の投資先とのバランスを変更したい
など、さまざまなものがあります。
利益が出ている場合についても同様です。
「○%上昇したら必ず売る」というルールだけではなく、
現在の株価と企業価値、自分の投資目的などを改めて確認して判断するという方法もあります。
売却後にさらに株価が上昇することもあれば、売却しなかったことでその後大きく下落することもあります。
将来の株価を正確に予測することはできません。
だからこそ私は、
購入理由と売却を検討する条件をあらかじめ整理しておくことを意識するようになりました。
■この損切り経験から学んだこと
今回のアシロへの投資は、私にとって個別株投資について考える良いきっかけになりました。
特に学んだのは次の5点です。
- 数字だけでなく事業内容まで確認する
- SNSだけではなく企業IRやEDINETなど一次情報を確認する
- 購入する理由を自分の言葉で説明できるようにする
- どのような場合に売却を検討するか事前に考える
- 一つの銘柄に資金を集中させすぎない
個別株は、企業の成長によって大きな利益を得られる可能性がある一方、
企業固有のリスクを直接受けるという特徴があります。
業績悪化、不祥事、競争激化、金利・為替の変化などによって株価が大きく下落する可能性もあります。
そのため、個別株投資では利益だけでなく、
「どの程度の損失までなら受け入れられるのか」についても考えておくことが大切だと感じています。
■まとめ
今回は、私が実際に経験した個別株の損切りについて紹介しました。
私はグロース市場の企業を自分なりの条件でスクリーニングし、
アシロ(7378)へ投資しました。
しかし購入後に株価が下落し、購入前に設定していた
「約10%下落したら売却する」という自分なりのルールに従って損切りしました。
この経験を通じて、
- なぜその株を買うのか
- どのような場合に保有を続けるのか
- どのような場合に売却を検討するのか
- どの程度の損失まで許容できるのか
を事前に考えることの重要性を学びました。
ただし、
「10%下落したら損切りすればよい」という意味ではありません。
長期保有を前提とする投資と、短中期で売買する投資では、考え方も異なります。
また、株価が下落していても企業の成長性や投資した前提が変わっていなければ、保有を続けるという判断もあり得ます。
大切なのは、
他人のルールをそのまま真似するのではなく、自分の投資目的・運用期間・リスク許容度に合わせて判断すること
だと考えています。
今回の損切りは損失という結果ではありましたが、
「失敗を振り返り、次の投資判断に活かす」という意味では、私にとって貴重な投資経験になりました。
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③ ファンダメンタルズ分析とは?初心者向けにわかりやすく解説
今回の記事では、アシロを調べる際に、
- 売上高
- 営業利益
- ROE
- PER
- 事業内容
- 財務状況
などを確認しました。
このように企業の業績や財務、事業内容などを分析する方法が、ファンダメンタルズ分析です。
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■参考・情報源
本記事の制度・市場区分・企業情報などについては、以下の公式情報を参考にしています。
日本取引所グループ(JPX)|市場区分見直しの概要
https://www.jpx.co.jp/equities/improvements/market-structure/01.html
日本取引所グループ(JPX)|売買単位
https://www.jpx.co.jp/equities/trading/domestic/03.html
金融庁|EDINETについて
https://www.fsa.go.jp/search/20130917.html
金融庁|各種情報検索サービス(EDINET)
https://www.fsa.go.jp/search/
株式会社アシロ|公式サイト
https://asiro.co.jp/
株式会社アシロ|事業内容
https://asiro.co.jp/business/
※企業の事業内容、株価、業績、財務指標、市場区分などは変更される場合があります。最新情報については、企業のIR情報、日本取引所グループ、EDINETなどの公式情報をご確認ください。
■免責事項
本記事は、筆者自身の過去の投資経験をもとに、株式投資について学ぶための一般的な情報を提供することを目的としています。
記事内で紹介している株式会社アシロ(7378)を含め、特定の金融商品・銘柄の購入、保有、売却を推奨・勧誘するものではありません。
また、記事内で紹介している「約10%下落したら売却する」というルールは筆者が当時設定していた個人的なルールであり、すべての投資家に適した方法ではありません。
株式投資には、株価下落、業績悪化、企業の信用・倒産リスク、金利・為替変動などにより、投資元本を下回る可能性があります。
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