■はじめに

最近では、「NISAを始めました!」という人が本当に増えました。
周りの友人や職場の同僚、SNSなどを見ても、
「S&P500を積み立てています」
「オルカンを買っています」
という話を聞く機会が増えたのではないでしょうか。
私自身もNISAを利用していますし、長期的な資産形成を考える上で、インデックス投資は非常に有力な選択肢の一つだと考えています。
ただ、ここで少し気になることがあります。
それは、「自分が何に投資しているのか、本当に理解していますか?」ということです。
例えば、
「みんながS&P500を買っているから」
「オルカンが人気だから」
「NISAなら非課税だから」
という理由だけで、何となく積み立てを始めている方も多いのではないでしょうか。
もちろん、
毎月コツコツ積み立てて、株価が上がっても下がっても気にせず、途中で投資をやめないのであれば、それでも大きな問題にならないかもしれませんし、むしろ良い場合もあります。
しかし、ある日突然、
「株価が暴落しています!」
「アメリカ市場が大幅下落!」
「NISAで損失を抱えている人が続出!」
といったニュースを目にしたらどうでしょうか。
さらに、「今は危ないからNISAを売却した方がいい」と周囲の人から言われたら、冷静に判断できるでしょうか。
そこで不安になって、「やっぱり投資は怖い……」
と積み立てを中止したり、せっかく積み立ててきた資産を売却してしまったりすると、長期投資の大きなメリットを逃してしまう可能性があります。
だからこそ私は、「自分が何を持っているのかを知ること」が非常に重要だと考えています。
今回は、SBI証券を例に、
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
を実際に確認しながら、「投資信託の中身をどこで確認すればいいのか?」
を初心者の方にも分かりやすく紹介していきたいと思います。
■「みんながNISAをやっているから」だけで大丈夫?
NISAを始めるきっかけは、人それぞれです。
「老後資金を準備したい」
「将来のお金が心配」
「銀行に預けているだけではもったいない」
「周りも始めているから自分も始めてみよう」
このような理由で始めた方も多いと思います。きっかけそのものは、何でもいいと思います。
むしろ、投資に興味を持って実際に行動したことは、とても大切なことです。
問題なのは、「始めた後に何も知らないままになってしまうこと」です。
例えば、「S&P500はアメリカの株」、「オルカンは全世界の株」
という程度しか知らない状態では、暴落したときに不安になってしまうかもしれません。
しかし、
「S&P500は具体的にどんな企業に投資しているのか」
「アメリカ株が何%くらい含まれているのか」
「どのくらいのコストがかかっているのか」
「これまでどのような値動きをしてきたのか」
を知っていれば、暴落したときにも、「自分が何を持っているのか」を思い出すことができます。
投資を続ける上では、この違いが非常に大きいと思っています。
■暴落したとき、あなたは冷静でいられますか?
投資をしている以上、暴落は避けられません。
株式市場は、上がり続けるわけでも、下がり続けるわけでもありません。
大きく上昇することもあれば、短期間で大きく下落することもあります。
特にインデックス投資は、「長期投資だから安全」と思われることがあります。
しかし、長期投資=価格が下がらないという意味ではありません。
例えば、株式市場が大きく下落したとき、自分が購入している投資信託も当然ながら下落します。
そのとき、
「SNSでみんなが売っている」
「ニュースで暴落と言っている」
「友人から今は危ないと言われた」
という理由だけで売却してしまったらどうでしょうか。
その後、市場が回復すれば、「もう少し持っておけばよかった……」と後悔することになるかもしれません。
もちろん、将来の株価を正確に予測することは誰にもできません。
だからこそ、自分自身が投資している商品について理解しておくことが重要なのです。
■まず「自分が何を買っているのか」を知ろう
筆者自身はSBI証券を利用しているので、SBI証券を例に挙げて説明したいと思います。
他の証券会社を利用していたとしても、大枠は大差ないと思うので参考にしてもらえればと思います。
まず、SBI証券を利用してNISA口座を作り、つみたてNISA枠を使用して投資信託商品を購入している場合は以下の画像のような『SBI証券 投信つみたて』アプリを所有していうのではないでしょうか。

もし、所有していない方はこちらのアプリは管理しやすいのでダウンロードして使用することをおすすめします。App Storeの検索画面で『SBI証券』を入れて検索すると、上から4つ目辺りに出てきます。
『SBI証券 Plus』などもありますが、少し複雑なので今回は『SBI証券 投信つみたて』に焦点を当てて説明したいと思います。
また、私が実際につみたてNISAで購入している『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』を例に挙げて、説明します。
まず、『SBI証券 投信つみたて』アプリにログインすると、
以下の画像①のようなホーム画面が出てくると思います。
ホーム画像①の黄色矢印で示している『保有銘柄』を押すと、
画像②のような口座管理の画面に切り替わり、現在所有している保有銘柄が出てきます。
自分が所有している保有銘柄を押します(ここでは『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』)
画像③のような個別銘柄の画面に切り替わり、少し下にスクロールしていくと、画像④のように、
『各種費用等』で信託報酬(コスト)や『組入銘柄上位TOP10』などを見ることができます。
また、画像③では概要を表示していますが、その右の実績を押すと『リターン実績』を確認できます。
さらに、画像③の黄色矢印で示した『目論見書』を押すと、画像⑤で示すように、目論見書を確認する
という画面に切り替わり、目論見書を押すと画像⑥のように、本ファンドのより詳細な中身を確認することができます。
画像①

画像②

画像③

画像④

画像⑤

画像⑥

このように、SBI証券の投資信託画面では、
- ファンドの特徴
- 基本情報
- 手数料
- 投資先の内訳
- 組入銘柄
- 基準価額の推移
- トータルリターン
- 運用実績
などを確認できます。
つまり、
「自分が何を買っているのか分からない」という状態から、
「このファンドはこういう商品なんだ」という状態に変えることができます。
■eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)やSBI・V・S&P500とは?
まずは、NISAのつみたて投資枠でも非常に人気の高い、
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドを見ていきます。
名前の通り、この投資信託は米国の代表的な株価指数である、S&P500への連動を目指すインデックスファンドです。
S&P500は、米国を代表する大型企業を中心に構成されています。
つまり、
「米国企業の中から500社を適当に選んで投資している」というわけではありません。
指数に採用された企業を、時価総額などに応じて組み入れています。
そのため、1本の投資信託を購入するだけで、米国の大型企業へ幅広く分散投資できるという特徴があります。
■S&P500の中身を見てみよう
S&P500に投資しているからといって、「500社すべてに同じ金額を投資している」訳ではありません。
時価総額の大きな企業ほど組入比率が高くなります。
そのため、
- NVIDIA
- Microsoft
- Apple
- Amazon
- Alphabet
- Meta
- Tesla
など、世界的に有名な企業が上位に並びます。
つまりS&P500を購入するということは、「米国経済の成長に幅広く投資する」という考え方に近いものです。
ただし、S&P500は米国株だけに投資するため、「世界中に分散投資している」わけではないという点は理解しておきましょう。
■eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とは?
続いて、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)です。
通称、「オルカン」と呼ばれています。
オルカンは、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスへの連動を目指すインデックスファンドです。
三菱UFJアセットマネジメントによると、日本を含む先進国や新興国の株式へまとめて投資できる商品です。
S&P500が「米国」に集中しているのに対して、
オルカンは、
- 日本
- 米国
- 欧州
- 中国
- 台湾
- インド
- その他新興国
など、世界各国の株式に分散投資します。
■オルカンの中身を見てみよう
オルカンも、「世界中の国に均等に投資している」わけではありません。
現在は米国企業の比率がかなり高くなっています。
例えば2026年2月末時点の月次レポートでは、組入銘柄数は2,489銘柄で、上位にはNVIDIA、Apple、Microsoft、Amazon、Alphabetなどが並んでいます。
つまり、
「オルカンを買っている=米国株を買っていない」というわけではありません。
むしろ世界経済に占める米国企業の存在感が大きいため、オルカンの中でも米国株の比率は高くなっています。
ここは意外と知らない方も多いポイントです。
■S&P500とオルカンの違い
ここまでを簡単に整理してみましょう。
| 項目 | eMAXIS Slim S&P500 | eMAXIS Slim オルカン |
|---|---|---|
| 投資対象 | 米国 | 全世界 |
| 主な指数 | S&P500 | MSCI ACWI |
| 米国比率 | ほぼ米国のみ | 高いが米国以外も含む |
| 日本株 | なし | あり |
| 新興国 | なし | あり |
| 分散 | 米国企業中心 | 世界各国 |
| 為替リスク | 主に米ドル | 複数通貨 |
| 考え方 | 米国の成長に集中 | 世界経済全体に分散 |
どちらが正解というわけではありません。
重要なのは、「自分はどちらに投資しているのか」を理解しておくことです。
■投資信託のコスト「信託報酬」とは?
次に確認したいのが、コストです。
投資信託では、信託報酬(運用管理費用)というコストがあります。
これは投資信託を保有している間にかかる費用で、毎日少しずつファンドの資産から差し引かれ、基準価額に反映されます。
S&P500のeMAXIS Slimでは、信託報酬は年率0.08140%以内とされています。購入時手数料と信託財産留保額はありません。
オルカンの信託報酬は年率0.05775%以内です。こちらも購入時手数料と信託財産留保額はありません。
※信託報酬率は将来変更される可能性があるため、実際に購入する際は最新の目論見書やSBI証券の商品ページで確認してください。
■「0.08%って結局いくら?」
数字だけを見ると、「0.08140%なんて、ほとんど無料じゃない?」と思うかもしれません。
実際、かなり低コストです。
例えば、
100万円を保有している場合、年率0.08140%なら単純計算で約814円。
500万円なら約4,070円。1,000万円なら約8,140円。となります。
もちろん実際には毎日の純資産総額に対して計算されるため、単純に「年末にこの金額を払う」という仕組みではありません。
しかし、
「資産が大きくなるほど、低コストの重要性も大きくなる」ということは覚えておきましょう。
■S&P500は年率何%くらいで増えるの?
ここが非常に気になるところだと思います。
「S&P500なら年率10%くらい?」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、
「今後も毎年10%増える」という保証はありません。
実際には、
- 20%上昇する年
- 10%下落する年
- 30%近く下落する局面
など、様々な値動きがあります。
2026年6月末時点のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のトータルリターンは、
- 1年:+36.50%
- 3年:+25.13%
- 5年:+21.98%
となっています。一方で、これは過去の実績です。
これをそのまま、「今後も年率20%以上で増える」と考えるのは危険です。
■オルカンの過去実績は?
2026年6月末時点のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のトータルリターンは、
- 1年:+38.24%
- 3年:+24.55%
- 5年:+19.72%
となっています。
こちらも非常に高い数字ですが、過去の実績=将来のリターンではありません。
むしろ長期投資では、「毎年○%増える」と期待するよりも、
「長期的には成長する可能性がある資産に、
今回はSBI証券を例に説明します。
SBI証券で投資信託を保有している場合、投資信託の詳細画面からさまざまな情報を確認できます。
例えば、
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
を検索すると、商品ページから、
- 基本情報
- 基準価額
- 運用実績
- 投資対象
- 組入銘柄
- コスト
などを確認できます。
ここで重要なのは、
「買ったら終わり」ではなく、「買った後も中身を確認できる」
ということです。
スマートフォンからでも確認できますので、まだ一度も見たことがない方は、一度チェックしてみてください。
■「知ること」が投資の握力につながる
ここまで読んで、
「そんなに難しく考えなくても、毎月積み立てればいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。
もちろん、その考え方も一理あります。
長期投資では、市場の値動きを気にしすぎず、淡々と積み立てることも非常に重要です。
しかし、私はそれに加えて、「自分が何を持っているのかを知ること」も大切だと思っています。
なぜなら、暴落したときに、「これは何のために持っているんだ?」
となってしまうと、不安から売却してしまう可能性があるからです。
反対に、
「自分はこの指数に連動する商品を買っている」
「長期的な資産形成を目的としている」
「短期的な値下がりは想定している」
と理解していれば、暴落時にも冷静に判断しやすくなります。
知識がそのまま利益になるとは限りません。
しかし、知識があることで、投資を続けるための「握力」を高めることはできると私は考えています。
■前編まとめ
今回は、
「自分が投資している商品を知る」
というテーマで、
- 商品名
- 投資対象
- 構成銘柄
- 投資比率
- コスト
- 過去の運用実績
など、投資信託の詳細画面で確認しておきたいポイントについて紹介しました。
SBI証券を利用している方であれば、投資信託の詳細画面からさまざまな情報を確認することができます。
まだ一度も自分の投資信託の中身を確認したことがない方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
そして、
「S&P500だから安心」
「オルカンだから大丈夫」
ではなく、「自分は何を持っているのか?」を理解しておきましょう。
投資は、「買ったら終わり」ではありません。
自分が何に投資しているのかを理解し、その投資を続ける理由を持つことが、長期投資では重要だと思います。
そして、ここまで確認すると、次に気になるのが、
「このまま積み立てを続けたら、将来どのくらいの資産になるの?」
ということではないでしょうか。
毎月5万円を積み立てた場合、10年後、20年後、30年後にはどのくらいの資産になるのか。
そして、「複利の効果はいつ頃から実感できるのか?」という点も気になるところです。
さらに、長期投資を続けるためには、「なぜ投資をするのか?」という目的を明確にすることも大切です。
後編では、
毎月5万円を積み立てた場合の資産形成シミュレーションを紹介しながら、
- 複利の効果
- 資産形成の時間軸
- NISA貧乏への注意
- 投資の目的と目標
- 筆者自身の投資目標
- 暴落時にも投資を続けるための「握力」
について紹介していきます。
「何となくNISA」から「目的を持ったNISA」へ。
後編では、筆者自身が55歳で1.5億円を目指している理由についても紹介します。
ぜひ後編もご覧ください。
▶ 後編はこちら

※本記事は筆者個人の投資経験・考え方を紹介するものであり、特定の投資信託・銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の資産状況、リスク許容度などを踏まえて慎重に行ってください。
当ブログでは、短期売買ではなく、中長期的な視点に基づく株式投資を主なテーマとして取り上げていきます。
免責事項
この記事は、投資収益の保証、特定の商品の勧誘、売買の推奨等を目的としたものではありません。最終的な投資や契約の決定はご自身で判断してください。


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