情報更新日:2026年9月1日
※本記事は、公開後も必要に応じて内容を見直し、情報を更新しています。
■はじめに

生成AIの普及によって、半導体関連企業への注目が高まっています。
AIというと、NVIDIAなどが手掛けるGPUをイメージする方も多いのではないでしょうか。
しかし、AIサーバーではGPUだけでなく、大量のデータを高速で処理するためのメモリも重要な役割を担っています。
特にAI向け半導体では、
- DRAM
- HBM(High Bandwidth Memory)
- NAND
- SSD
など、メモリやストレージ関連技術にも注目が集まっています。
こうした世界のメモリ関連企業へまとめて投資するETFとして、2026年4月に登場したのが、
Roundhill Memory ETF(ティッカー:DRAM)です。
私自身も以前から半導体メモリ関連企業に注目しており、現在はこのDRAM ETFを少額ずつ購入しています。
この記事では、
- ETFとは?
- DRAM ETFとは?
- DRAM・HBM・NANDの違い
- DRAM ETFの主な組入銘柄
- AIサプライチェーンとの関係
- DRAM ETFへ投資する際に知っておきたいリスク
- 筆者が実際に投資している理由
について、初心者向けに分かりやすく解説します。
■そもそもETFとは?
ETF(Exchange Traded Fund)とは、証券取引所に上場している投資信託のことです。
一般的な投資信託とは異なり、取引時間中に株式と同じように市場価格で売買できることが特徴です。
代表的なETFには、
- VOO
- QQQ
- SPY
などがあります。
ETFによって投資対象や運用方法は大きく異なりますが、1つのETFを通じて複数の企業や資産へ投資できる商品もあります。
ただし、「ETFだから安全」「ETFなら十分に分散されている」というわけではありません。
今回紹介するDRAMのように、特定のテーマや業種へ集中して投資するETFもあります。
■DRAM ETFとは?
正式名称は、Roundhill Memory ETF
ティッカーシンボルは、『DRAM』です。
2026年4月2日に米国のCboe BZX Exchangeで取引が開始された、比較的新しいETFです。
2026年9月1日時点で公表されている基本情報は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Roundhill Memory ETF |
| ティッカー | DRAM |
| 運用会社 | Roundhill Investments |
| 上場市場 | Cboe BZX Exchange |
| 運用開始 | 2026年4月2日 |
| 運用方式 | アクティブ運用 |
| 経費率 | 年0.65% |
| 主な投資対象 | 世界のメモリ・ストレージ関連企業 |
※ETFの情報や組入銘柄などは変更される場合があります。最新情報は運用会社の公式サイトをご確認ください。
■「DRAM」という名前だけどDRAMだけに投資するわけではない
ここは、このETFを理解するうえで重要なポイントです。
ティッカーは「DRAM」ですが、DRAMだけに投資するETFではありません。
運用会社Roundhillでは、対象となるメモリ企業について、メモリ関連製品の開発・製造から一定以上の売上または利益を得ている企業などを対象としています。
対象となる分野には、
- HBM(High Bandwidth Memory)
- DRAM(Dynamic Random Access Memory)
- NANDフラッシュメモリ
- SSD
- NORフラッシュメモリ
- HDD
- 特殊・組み込みメモリ
などが含まれます。
そのためDRAM ETFは、
「世界のメモリ・ストレージ関連企業へ集中的に投資するETF」と考えた方が分かりやすいでしょう。
■半導体メモリにも種類がある
一口に「メモリ」といっても、それぞれ役割が異なります。
代表的なものを簡単に整理すると、次のようになります。
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| DRAM | 高速にデータを一時保存 | PC・スマホ・サーバーなど |
| HBM | 広い帯域幅を持つ高性能メモリ | AIアクセラレーター・GPUなど |
| NAND | 電源を切ってもデータを保存できる | SSD・スマホ・データセンターなど |
| SRAM | 高速だが容量当たりのコストが高い | CPUなどのキャッシュ |
特に生成AIとの関係で注目されているのが、HBM(High Bandwidth Memory)です。
HBMはDRAM技術をベースとした高帯域幅メモリで、AI向けアクセラレーターなどで大量のデータを高速にやり取りするために利用されています。
つまり、
AIの計算能力が高くなれば、計算に必要なデータを高速で供給するメモリも重要になる
ということです。
■DRAM ETFの主な組入銘柄
DRAM ETFは、世界のメモリ関連企業へ投資しています。
設定時(2026年4月2日)の公式ファクトシートでは、主な組入銘柄として次の企業が掲載されていました。
| 企業 | 主な関連分野 |
|---|---|
| Samsung Electronics | DRAM・HBM・NANDなど |
| SK hynix | DRAM・HBM・NANDなど |
| Micron Technology | DRAM・HBM・NANDなど |
| Kioxia Holdings | NANDフラッシュメモリ |
| SanDisk | フラッシュメモリ・ストレージ |
| Western Digital | データストレージ |
| Seagate Technology | HDD・データストレージ |
| Nanya Technology | DRAM |
| Winbond Electronics | メモリ半導体 |
設定時点では、
Samsung Electronics・SK hynix・Micron Technologyの3社がそれぞれ約24~25%
を占めていました。
つまり、ETFではあるものの、上位数社の値動きから大きな影響を受ける構成になっていました。
なお、DRAMはアクティブ運用ETFであり、組入銘柄や構成比率は変更されます。
そのため、投資を検討する際には必ず最新の組入状況を公式サイトで確認することが大切です。
■ETFだけど「広く分散された商品」ではない
DRAM ETFには複数の企業が組み入れられています。
しかし、
S&P500などへ連動するETFと同じような分散効果を期待するのは注意が必要です。
例えばS&P500では、情報技術、金融、ヘルスケア、一般消費財など、さまざまな業種の企業が含まれています。
一方、DRAM ETFは、メモリ・ストレージという特定分野へ集中しています。
そのため、
- メモリ価格の変動
- 半導体の需給サイクル
- AI関連投資の変化
- 技術革新
- 競争激化
- 各国の規制
- 地政学リスク
などの影響を受けやすくなります。
「複数企業へ投資している=十分に分散されている」とは限らない点には注意が必要です。
■DRAM ETFはアクティブETF
もう一つ知っておきたいのが、DRAMはアクティブ運用ETFであるという点です。
S&P500などの指数への連動を目指す一般的なインデックスETFとは異なり、運用会社が独自の基準に基づいて投資対象を選定します。
Roundhillの目論見書によると、DRAMではメモリ関連企業の株式だけでなく、必要に応じてスワップなどの金融商品を利用して企業へのエクスポージャーを得る場合があります。
そのため、
「メモリ関連企業の株を均等に持つだけのETF」という商品ではありません。
投資する場合は、組入銘柄だけでなく、運用方法や経費率、目論見書なども確認しておきたいところです。
■AIサプライチェーン全体で考えると分かりやすい

AIはGPUだけで動いているわけではありません。
AIサービスがユーザーへ届くまでには、
半導体設計
↓
半導体製造
↓
GPU・AIアクセラレーター
↓
HBM・DRAMなどのメモリ
↓
SSDなどのストレージ
↓
サーバー
↓
電源・冷却設備
↓
データセンター
↓
クラウドサービス
といった、さまざまな企業や技術が関係しています。
これらをまとめて、AIサプライチェーンとして考えることができます。
DRAM ETFは、この中でも特に「メモリ・ストレージ」に重点を置いたETFです。
ただし、AI市場が拡大したからといって、すべての関連企業の利益や株価が必ず上昇するわけではありません。
企業ごとの競争力や需給環境、設備投資、製品価格などによって業績は変化します。
■AI需要とメモリ需要の関係
生成AIでは、非常に多くのデータを高速に処理します。
GPUなどの演算装置の性能が高くても、必要なデータを十分な速度で供給できなければ、計算性能を最大限活用できない場合があります。
そのためAI向け半導体では、演算性能だけでなく、メモリの容量や帯域幅も重要になります。
こうした背景から、HBMをはじめとする高性能メモリへの需要が注目されています。
一方で、
「AIが成長する=DRAM ETFの価格が上昇する」と単純に考えるのは危険です。
半導体メモリは需給によって価格が大きく変動することがあり、設備投資の増加によって供給量が増えれば、市況が悪化する可能性もあります。
AI需要だけでなく、
メモリ価格・供給能力・設備投資・企業業績などを総合的に確認する必要があります。
■DRAM ETFへ投資する際の主なリスク
DRAM ETFには、いくつか注意しておきたいリスクがあります。
① メモリ業界への集中リスク
投資対象がメモリ・ストレージ関連企業へ集中しているため、業界全体が不調になった場合、ETF全体が大きく下落する可能性があります。
② 上位銘柄への集中リスク
DRAM ETFでは、Samsung Electronics、SK hynix、Micron Technologyなどの大手企業の比率が高くなる場合があります。
そのため、特定企業の決算や株価変動がETFへ大きく影響する可能性があります。
③ 半導体特有の景気循環
メモリ市場では、需要と供給のバランスによって製品価格が大きく変動することがあります。
需要以上に供給が増えれば、価格低下によって企業収益が悪化する可能性もあります。
④ 為替リスク
日本の投資家が米ドル建てETFへ投資する場合、ETF自体の値動きだけでなく、円と米ドルの為替変動も円換算の損益に影響します。
⑤ 運用実績がまだ短い
DRAM ETFは2026年4月に設定されたばかりのETFです。
長期間の運用実績がまだ存在しないため、過去の長期データを使った検証には限界があります。
⑥ 元本保証ではない
ETFも株式と同じように市場価格が変動します。
投資した金額を下回る可能性があり、元本が保証されている商品ではありません。
■私がDRAM ETFへ投資している理由
ここからは、あくまで筆者個人の投資体験です。
私は以前から半導体メモリ関連企業に興味を持っていました。
特にAI向けデータセンターの拡大を調べる中で、
「GPUだけでなく、HBMなどのメモリも重要なのではないか」と考えるようになりました。
その一方で、半導体関連株の株価には過熱感を感じる場面もあったため、DRAM ETFが登場してすぐに大きな金額を投資することはしませんでした。
現在はチャートも確認しながら、
50日移動平均線付近まで調整した場面を一つの参考材料として、5口ずつ購入する
という方法を取っています。
ただし、
50日移動平均線まで下落すれば反発するという意味ではありません。
移動平均線を下回ったまま、さらに株価が下落することもあります。
そのため私は、一度にまとめて購入するのではなく、投資金額を管理しながら段階的に購入しています。
これは私自身の投資方法であり、DRAM ETFや同様の投資方法を推奨するものではありません。
■DRAM ETFは「コア資産」ではなくサテライトとして考えている
私自身は現在、インデックス投資を資産形成の中心としています。
そのためDRAM ETFは、資産形成の中心として保有するのではなく、
コア・サテライト戦略におけるサテライト資産の一つとして考えています。
メモリ市場が成長した場合には恩恵を受ける可能性がある一方、テーマ型ETFは特定業界へ集中するため、大きく値下がりする可能性もあります。
そのため、
「AI関連だから大きく投資する」のではなく、自分がどこまで損失を許容できるのか
を考えながら投資金額を決めることが重要だと考えています。
■まとめ
Roundhill Memory ETF(DRAM)は、
世界のメモリ・ストレージ関連企業へ投資するアクティブETFです。
2026年4月2日に運用が開始された比較的新しいETFで、DRAMだけではなく、
- HBM
- DRAM
- NAND
- SSD
- HDD
- その他のメモリ関連技術
などを手掛ける企業が投資対象となります。
AIの普及によってGPUなどの演算装置だけでなく、データを高速に供給するメモリの重要性にも注目が集まっています。
一方でDRAM ETFは、
特定の業界や上位企業へ投資が集中しやすいテーマ型ETFでもあります。
AI市場が成長したからといって、ETFの価格上昇が保証されているわけではありません。
私自身はDRAM ETFをサテライト資産として少額ずつ購入していますが、これはあくまで私自身の投資方針です。
投資する場合には、
AI市場の成長性だけを見るのではなく、メモリ市況・企業業績・組入銘柄・経費率・為替・集中リスクなども確認する
ことが大切だと考えています。
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■参考・情報源
本記事の制度・商品情報については、主に以下の公式情報を参考にしています。
Roundhill Investments|Roundhill Memory ETF(DRAM)
https://www.roundhillinvestments.com/etf/dram/
Roundhill Investments|DRAM Prospectus(目論見書)
https://www.roundhillinvestments.com/assets/pdfs/dram_prospectus.pdf
Roundhill Investments|DRAM Summary Prospectus
https://www.roundhillinvestments.com/assets/pdfs/dram_summary_prospectus.pdf
U.S. Securities and Exchange Commission(SEC)|Roundhill Memory ETF
https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1976517/000139834426005952/fp0098200-2_497k.htm
Cboe|Roundhill Memory ETF(DRAM)
https://www.cboe.com/us/equities/listings/listed_products/symbols/DRAM
※ETFの組入銘柄、構成比率、経費率、運用方法などは変更される場合があります。投資を検討する際は、運用会社が公表する最新の情報・目論見書をご確認ください。
■免責事項
本記事は、筆者自身の投資経験および公開情報をもとに、投資やETFについて学ぶことを目的として作成したものであり、特定の金融商品・銘柄の購入や売却を推奨・勧誘するものではありません。
株式やETFなどへの投資には、価格変動、為替変動、企業業績、市場環境、流動性などによって元本割れが生じる可能性があります。
また、本記事で紹介している筆者の投資方法や過去の値動きは、将来の投資成果を保証するものではありません。
商品情報や組入銘柄等は変更される場合があるため、実際に投資を行う際は運用会社・証券会社などが公表する最新の情報や目論見書を確認し、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
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