情報更新日:2026年9月2日
※本記事は、公開後も必要に応じて内容を見直し、情報を更新しています。
■はじめに

株式投資を続けていると、
「株価が毎日気になる」
「急落すると不安になる」
「含み益が減ると焦ってしまう」
といった経験をすることがあります。
投資を続けていくためには、企業分析や投資商品の知識だけではなく、
値動きに対してどのように向き合うのかという心構えも大切だと私は考えています。
以前の記事では、「リスク許容度」について解説しました。
どの程度の値下がりまで受け入れられるのかをあらかじめ考えておくことは、自分に合った投資方法を考えるうえで重要です。
そして、その次に考えておきたいのが、
「相場が大きく動いたとき、自分はどう行動するのか?」ということです。
私自身、2019年から株式投資を続けています。
これまでにも株価が大きく下落する局面を経験してきましたが、2008年の世界金融危機(リーマン・ショック)のような歴史的な相場を、投資家としてリアルタイムで経験したわけではありません。
そのため、
「本当に大きな暴落が起きたとき、自分は冷静に行動できるのだろうか?」
ということは今でも考えています。
今回は、そんな私が普段から意識している「投資メンタルとの付き合い方」について紹介します。
■投資メンタルとは?
この記事でいう「投資メンタル」とは、
株価の上昇・下落によって生まれる不安や期待などの感情と、どのように付き合いながら投資判断をするか
という意味で使っています。
投資をしていれば、感情が動くこと自体は自然なことだと思います。
問題は、
「怖くなったから全部売る」
「もっと上がりそうだから予定以上に買う」
「SNSで話題だから買う」
など、感情だけで投資方針を大きく変更してしまうことです。
米国SECの投資家向けサイトInvestor.govでも、投資家の行動として、
- パニック
- 過度な売買
- モメンタムへの追随
- 不十分な分散
- ノイズに基づく売買
などが投資成果に悪影響を与える可能性について紹介されています。
だからこそ私は、
相場が大きく動いてから考えるのではなく、平常時に自分なりのルールを決めておくことを大切にしています。
■私が最も大切にしているのは「無理な投資をしないこと」

私が投資を続けるうえで大切にしているのは、
大きな下落が起きても生活に支障が出ない範囲で投資することです。
例えば、
- 近いうちに必要になる生活資金まで投資する
- 自分のリスク許容度を超えて投資する
- 特定の銘柄へ資産を集中させすぎる
- 大きな損失につながり得る取引を理解せずに行う
といった投資をしていると、相場が下落したときに冷静な判断が難しくなる可能性があります。
反対に、「このお金は当面使う予定がない」
と考えられる範囲で投資していれば、短期的な値下がりにも比較的向き合いやすくなると私は感じています。
投資メンタルを保つ方法というと「精神力」の問題に見えますが、
実際には、自分に合った投資額や資産配分にしておくことも重要ではないでしょうか。
■暴落してから考えるのではなく「事前にルールを作る」
株価が急落すると、ニュースやSNSにはさまざまな情報があふれます。
「まだ下がる」
「ここが底だ」
「今すぐ買うべき」
「全部売った方がいい」
など、正反対の意見を見ることもあります。
しかし、将来の株価を正確に予測することはできません。
だから私は、
暴落してから感情的に判断するのではなく、平常時に自分の投資ルールを考えておくようにしています。
例えば、
「生活に必要なお金は投資しない」
「一度に大きな金額を追加投資しない」
「株価だけでなく企業の情報を確認する」
「SNSや動画だけで売買を決めない」
などです。
ルールを作っておけば、相場が大きく動いたときにも、
「今の自分の行動は、もともとの投資方針と一致しているか?」と考えることができます。
■暴落時に私が確認していること
では実際に株価が大きく下落したとき、私は何を確認しているのでしょうか。
主に次のことを意識しています。
① なぜ下落しているのか確認する
まず、「なぜ株価が下がっているのか?」を確認します。
例えば、
- 市場全体が下落しているのか
- 特定の業界だけ下落しているのか
- その企業固有の問題なのか
- 業績見通しが変化したのか
- 金利や景気などの影響なのか
では意味が異なります。
単に「株価が下がった」という事実だけではなく、下落した背景を確認することを大切にしています。
② ファンダメンタルズを確認する
個別株の場合は、
「自分がこの企業へ投資した理由が現在も成立しているのか?」を改めて確認します。
例えば、
- 売上高
- 利益
- キャッシュフロー
- 財務状況
- 事業環境
- 成長性
- 競争力
- 経営方針
などです。
そして可能な限り、
企業の決算資料やIR、有価証券報告書などの一次情報を確認するようにしています。
株価が下がっていても事業内容に大きな変化がない場合もあれば、
反対に、株価下落の背景に企業の業績悪化などがある場合もあります。
そのため、
「株価が下がった=買い」でも、「株価が下がった=売り」でもないと考えています。
③ 購入した理由を再確認する
私は個別株を購入するとき、「なぜこの企業へ投資するのか?」を考えるようにしています。
ところが株価が大きく下落すると、その理由よりも含み損ばかり気になってしまうことがあります。
そんなときは、「購入した理由は現在も成立しているのか?」を改めて考えます。
重要なのは、「購入理由が変わっていないから絶対に売らない」ということではありません。
新しい情報によって投資判断の前提が変化しているのであれば、保有を続けるかどうかを改めて検討する必要があります。
つまり、
「買ったから持ち続ける」のではなく、「現在の情報でも保有する理由があるのか」を考える
ということです。
④ 複数の情報源を確認する
私は投資の勉強として、YouTubeなどを見ることもあります。
動画は複雑な内容を理解するきっかけとして便利ですが、
一人の発信者の意見だけをそのまま投資判断に使わないことを意識しています。
SECのInvestor.govでも、SNSなどから得た情報だけに依存せず、企業が公開している情報なども確認することが呼びかけられています。
私は、
企業IR・決算資料などの一次情報
↓
ニュース・市場情報
↓
複数の専門家・投資家の考え方
というように、複数の情報を確認したうえで、最後は自分自身で判断するようにしています。
■Fear & Greed IndexやVIXは「参考情報」として見る
私は相場の雰囲気を確認するため、Fear & Greed IndexやVIX指数を見ることがあります。
特にVIX指数は、S&P500指数のオプション価格をもとに算出される、今後約30日間の予想変動率を示す指標です。
ただし、VIXが高いから買い、低いから売りと単純に判断できるものではありません。
Fear & Greed Indexについても同様です。
こうした指標は、
「現在、市場参加者がどのような状況にあるのかを見るための参考材料の一つ」として私は利用しています。
一つの指標だけで売買を決めるのではなく、企業業績、市場環境、自分の投資方針などと合わせて考えることが重要だと思っています。
■インデックス投資なら「頻繁に見ない」という方法もある
私の妻は、インデックスファンドを中心に積立投資をしています。
毎月自動積立を設定しているため、日々の株価を頻繁に確認することはありません。
私はこの方法も一つの考え方だと思っています。
毎日資産額を確認すると、
「昨日より5万円減った」
「今月だけで20万円減った」
など、短期的な変化が気になってしまうことがあります。
長期的な資産形成を目的としているのであれば、
自分にとって必要以上に頻繁に値動きを確認しないという方法もあります。
ただし、「何も確認しなくてよい」という意味ではありません。
自分の投資目的やリスク許容度が変わっていないか、資産配分が大きく偏っていないかなどを定期的に確認することは大切です。
私自身も、「毎日の値動きを追わないこと」と「投資を放置すること」は別だと考えています。
■「市場は必ず元に戻る」とは考えない

元の記事では、「市場は必ず循環する」と書いていました。
しかし、この表現は少し修正したいと思います。
株式市場では、景気や金利、企業業績、投資家心理などによって、人気となる業種や企業が変化することがあります。
特定の業種から別の業種へ資金が移る現象は、
「セクターローテーション」と呼ばれることがあります。
しかし、一度下落した銘柄や業種が必ず以前の株価まで戻るとは限りません。
特に個別企業では、
- 業績悪化
- 競争力低下
- 技術革新
- 財務悪化
- 不祥事
- 市場環境の変化
などによって企業価値そのものが変化する可能性があります。
そのため私は、「いつか戻るから大丈夫」と考えるのではなく、
投資している企業や市場の状況を改めて確認することが大切だと考えています。
■「暴落=買い場」と決めつけない
暴落すると、「安く買えるチャンス」と言われることがあります。
確かに、同じ投資対象を以前より低い価格で購入できる場面はあります。
一方で、下落したからといって、その価格が底値とは限りません。
10%下落した後に、さらに20%、30%と下落する可能性もあります。
また、個別株の場合は業績悪化などによって株価が下落している可能性もあります。
そのため私は、
「暴落したから買う」のではなく、「自分の投資方針やリスク許容度を確認したうえで追加投資を検討する」
という考え方を大切にしています。
追加投資する場合でも、一度に大きな金額を投じるのではなく、複数回に分ける方法も選択肢の一つです。
■分散投資もメンタルを保つ方法の一つ
私は投資メンタルを考えるうえで、分散投資も重要だと思っています。
例えば資産の大部分を一つの個別株へ投資している場合、その企業の株価が30%下落すれば、資産全体にも大きな影響が出ます。
一方、
- 複数の企業
- 複数の業種
- 複数の資産
などへ分散することで、特定の投資先の値動きによる影響を抑えられる可能性があります。
もちろん、分散投資をすれば損失がなくなるわけではありません。
市場全体が下落すれば、分散していても資産が減少する可能性があります。
それでも、自分のリスク許容度に合わせて資産を分散しておくことは、値動きへの不安を抑える方法の一つになると考えています。
■暴落時にやってはいけないと私が考えていること
私自身、特に気をつけたいと思っているのが、
「暴落してから投資方針を大きく変えること」です。
相場が好調なときには、「長期投資だから20年持つ!」と思っていても、
株価が大きく下がると、
「もっと下がるかもしれないから全部売ろう」と思ってしまう可能性があります。
反対に、「暴落はチャンスだから」
と考えて、自分が予定していた以上の資金を一気に投資してしまうことにも注意が必要です。
だから私は平常時から、
- 何のために投資しているのか
- 何年間投資するのか
- どこまでの損失を受け入れられるのか
- 生活資金はいくら確保するのか
- 個別株へどの程度投資するのか
- 下落時に追加投資するのか
などを考えておくことが重要だと思っています。
■メンタルを強くするより「不安になりにくい仕組み」を作る
ここまで投資メンタルについて紹介してきましたが、
私は、「どんな暴落でも耐えられる強い精神力を身につけよう」とは考えていません。
むしろ、
暴落しても必要以上に不安にならない投資環境を作っておくことの方が重要だと思っています。
例えば、
- 生活に必要なお金を投資しない
- 自分のリスク許容度を把握する
- 投資先を必要に応じて分散する
- 投資目的を明確にする
- 売買ルールを平常時に考えておく
- SNSだけで判断しない
- 必要以上に株価を確認しない
などです。
投資額が大きすぎて夜眠れなくなるのであれば、
それは「メンタルが弱い」のではなく、
現在の投資額や資産配分が自分のリスク許容度に合っているかを見直すサインかもしれません。
■まとめ
投資を続けていると、株価が大きく上昇することもあれば、大きく下落することもあります。
そんなときに重要なのは、
「感情を完全になくすこと」ではなく、「感情だけで投資判断をしないための仕組みを作っておくこと」
だと私は考えています。
私自身は、
- 投資目的を確認する
- 下落した理由を調べる
- ファンダメンタルズを確認する
- 購入した理由を再確認する
- 企業IRなどの一次情報を確認する
- 複数の情報源を比較する
- Fear & Greed IndexやVIXは参考情報として見る
- 必要以上に株価を確認しない
- 自分のリスク許容度を超えて投資しない
といったことを意識しています。
そして、
「暴落したら必ず買う」
「長期投資なら必ず戻る」
「売らなければ損ではない」
といった考え方にも注意しています。
株式投資には元本割れの可能性があり、将来の株価を正確に予測することはできません。
だからこそ、
相場を予測することだけではなく、自分が無理なく投資を続けられる方法を考えること
が重要だと思っています。
私自身も、将来本当に大きな暴落を経験したときに冷静でいられるかは分かりません。
だからこそ平常時の今から、
「そのとき自分はどう行動するのか?」を考えておきたいと思っています。
■次におすすめの記事
投資メンタルについて理解したら、次は実際に暴落時の行動や長期投資の考え方について学んでみましょう。
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■参考・情報源
本記事では、投資家の行動、リスク管理、分散投資、市場の変動などについて、主に以下の情報を参考にしています。
金融庁|資産形成の基本
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/invest/
金融庁|相場変動時における長期・積立・分散投資について
https://www.fsa.go.jp/news/r6/sonota/20250414/yousei.html
Investor.gov(米国SEC)|Behavioral Patterns of U.S. Investors
https://www.investor.gov/introduction-investing/general-resources/news-alerts/alerts-bulletins/investor-bulletins-72
Investor.gov(米国SEC)|Asset Allocation and Diversification
https://www.investor.gov/introduction-investing/getting-started/asset-allocation
Investor.gov(米国SEC)|Social Sentiment Investing Tools
https://www.investor.gov/introduction-investing/general-resources/news-alerts/alerts-bulletins/investor-bulletins-18
Cboe|VIX Index
https://www.cboe.com/tradable-products/volatility-trading/
※各制度、金融商品、市場環境等は変化する可能性があります。投資判断を行う際は、金融庁、取引所、企業IRなどの最新情報もあわせてご確認ください。
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